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2007年8月21日 (火)

イルマーレ

タイムトラベル物に少しこだわっています。

ラストの能天気ぶりに茫然自失となった「デジャブ」を紹介した時に、少し触れましたが、「イルマーレ」のラストも相当なものです。主演は、「スピード」の黄金コンビであるキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックです。この映画のうたい文句は、ファンタジー・ラブストーリーとかいうもので、2年という時の壁を越えた、ある意味では遠距離恋愛というべき物語です。ストーリーは、ある湖畔の家に、時を隔てて住んだ2人の男女が、その家の郵便受けを介して、過去と未来からそれぞれ手紙をやり取りしながら、本物の恋に陥るというものです。いわば、郵便受けがタイムトンネル(同名のTVドラマは懐かしい・・・もっともこれはまた別の話ですが)なのです。Img

 この映画は、主人公の飼い犬の行動が若干腑に落ちませんが、まあ、動物ですから、多少は大目に見ることとして、何とか二人が出会おうとする場面など、途中経過はなかなか楽しいものがあります。しかし、冒頭とラストの設定の能天気ぶりには、凄まじいものがあります。この脚本家は辻褄合わせ等、一切念頭にないと思います。これだけ、ケツをまくられると、いっそ潔いかもしれません。しかし、まあハッピーエンドですから、安心して見てください。実は、オチ以外は、なんとなく好きなのです。なお、タイトルは、劇中に出て来るレストランの名前です。由来は見てのお楽しみに・・・。

そういえば、邦画でも「メトロに乗って」とかいうタイムトラベルものがありました。未見の方は、後味の悪さでは最上の部類ですので、できたらご覧にならない方がよろしいですヨ。主人公達が、突然何の理由もなく、原因もわからず、過去に戻るという荒業を用いて、タイトルとは似ても似つかないほど悲しい男女の宿命をこれ以上救いはないほどのラストで締めくくる内容です。しかもその悲劇は、時間の流れには、ほんのわずかな違いしか生まれていないという無情なオチにも絶句します。よくまあ、こんな救いの無い内容の原作や映画を作ったと、ある意味、その強靭な心根には感心します。

Img こうしてみると、やはり、あの名作「バック トゥ ザ フューチャー」3部作が懐かしく思えます。特に、1作目のストーリーが絶品。わずか20年(?)ぐらい前の過去に行くという設定が、素晴らしいのです。文化や価値観の差を絶妙なギャグにしています。丁度、大統領が元俳優のレーガンの時代でしたので、過去の世界でその説明をすると「じゃあ、副大統領はジュリー・ルイス(喜劇俳優)か」という台詞には、本当に笑いました。こうしたギャップによる知的な笑いが盛りだくさんです。また、過去を変えると、未来に影響が即時に出て来るという設定も理屈だなあと妙に納得しました。最近の映画では、脚本家が無能で馬鹿なのか、観客が幼稚になったせいか、嘘でも論理上の辻褄あわせをしようとする意思をまったく放棄しているのは、困った現象です。また、違った意味で三作目も良かった。当時の西部のリアルさも良く出している感じがしました。もっとも、二作目の未来社会は、お定まりのチープさで、このシリーズ物の中では最も出来が良くありません。Img_0001 それにしても、最近の雑なつくりを見ますと、もう一度、見直したくなりますなあ。

2007年8月20日 (月)

ノートルダムのせむし男

最近忙しくて、ブログもキット作りもご無沙汰していました。やっとサイレント映画「ノートルダムのせむし男」のバストキットが完成しました。「オペラ座の怪人」に引き続き、ロン・チャイニーのモデルです。このキットは、ジオメトリック社製ですが、気泡が少なく、造型も素晴らしい出来です。本当に気持ちよく塗装ができますが、今回はわずかな時間をぬっての作業のため、あせってしまい、やや失敗です。心落ち着けてが基本です。近く仕上げを行う予定ですが、ともかくもご披露します。Dscn77101 Dscn77091 Dscn77131

今回、キット製作に合わせて、映画を見直しました。VHSに比べてDVD化で画質が良くなってせいか、意外なことに結構面白いのです。サイレント映画で面白いと思うのは少ないのですが・・・。Dscn7714

また、この悲運なカシモドは献身的に尽くすものの、美女からは一顧だにされません。現在の映画ならどんな創りになるのでしょうか。初期の寅さんのように徹底的に振られるのです。いっそ潔いかもしれません。

ちなみに、最近サイレント映画が安価にDVD化されています。買ったものをいくつか紹介します。Dscn7716もっとも 中には画質も値段並みのものもありますが(笑)。

Dscn7717_2 Dscn7715_2 ところで、さすがに以前にご紹介した「メトロポリス」の特別版は、値段も高いですが画質は最高です。サイレント映画のイメージが一変します。まあ一度ご覧ください。

2007年8月 6日 (月)

デジャヴ

映画「デジャヴ」をDVDのレンタルで視聴しました。事前に、ほとんどなにも知らず、デイゼル・ワシントンの刑事ものとばかり、思い込んでいました。ドキュメンタリー風のタッチで始まり、遊覧船の爆破テロの犯人を追う冒頭までは、確かに、リアルな刑事ものでしたが・・・。しかし、犯人捜査に衛星を使った監視装置システムが登場するあたりから、やや雲行きが怪しくなって、わたくし的には、わくわくなっているうちに、ついにタイムマシンの正体が現れます。こういうSF映画の創り方もあったのかと、感心します。

ところで、この映画については、絶対に宣伝方法を誤っています。はじめからSF映画と銘打っておれば、もっとヒットしたのではないでしょうか。(私が知らないだけで、ヒットしたのかもしれませんが・・・。笑)

とはいうものの、この映画のタイムパラドックスは、正しいのでしょうか。タイムトラベル物といえば、傑作「バックトウザフューチャー」がありますが、あの映画で、タイムトラベラーの過去の行動により、未来が違う世界になってしまう、さらには本人すら消滅するという法則は、それなりに説得力がありました。たった1羽の蝶の死亡で、未来社会が激変するという「サウンドオブサンダー」という映画さえありました。(この映画自体は駄作ですが、原作は有名です。)今回の映画の法則は、いわば「時間の流れの支流は消滅する」し、「宿命」は結局は変わらない、という整理のようです。しかし、あのラストには論理矛盾ありませんでしょうか?実は、よくわかりません。どなたかに、解説をお願いしたいものです。まあ、同じ人間が同時には存在しないという大原則は貫かれてはいますが・・・。

ともあれ、大変、楽しめました。DVDを買おうかな。

<追記 >Img つい、買ってしまいました。

あのラストには「そりゃ、ないよ。」との声もありますが、やはり、美形の女優と途中のドキドキ感は、捨てがたいものです。

どっちにしても、「現在から過去へのタイムトラベルには、論理矛盾が必然である。その点、ターミネーター(未来から現在へ)は素晴らしい。」とのご意見を先輩からいただきました。そういえば、「イルマーレ」も変?まあ、余り考えすぎないことにしましょう。

トランスフォーマー

封切初日、しかも字幕版の初演に、「トランスフォーマー」を観て来ました。予告編に流れる物凄い戦闘シーンの断片に、すっかり魅せられていたのです。スピルバーグとマイケル・ベイのコンビにも期待していました。Img

冒頭の砂漠の戦闘シーンは、快調です。ヘリコプターに擬態したロボット生命が突然、基地を襲ってくるのです。戦車が、吹き飛び、横転します。それらが、本物(のように見えます)なのです。あの懐かしい東宝特撮に出て来る、プラスチックのミニチュアの戦車ではありません。本物の戦車やジェット機、ヘリコプターが、CG技術によって、重量感を持って破壊されます。夢にまで見た映像でした。あの「宇宙戦争」でも成し遂げられませんでした。

と、ところが、一転して、主人公の青春映画です。青臭く、しかも古臭いシーンの連続です。そこへ命ある車の登場です。(ディズニーか?)違和感を持ち続ける中、アニメ漫画のようなスパイロボットの活動、そして主人公の車のロボットと、その仲間達の登場、しかも、そのロボット達が、これまでの経過を英語でとくとくと説明するのです。この人間くさいこと、とても、エイリアンとは思えません。この時点で、完全に、引いてしまいました。ましてや、庭先での度を越えたドタバタ演技などは、見るに耐えません。

実は、「トランスフォーマー」という玩具やお子様漫画やアニメ映画を、まったく知らなかったのです。「変身」という名の、エイリアン侵略映画とばかり思っていました。正義のロボットと、人類滅亡を謀ろうとする悪のロボットが戦い、しかも、それぞれのボスが、使命を真面目腐って、口にするのです。また、そのロボット達のスタイルたるや、人間型というのはまだ許せるにしても、黒い悪の方はともかく、正義の方は、塗装自体も恥ずかしいとしかいえない、幼稚なものです。要は、完全なお子様映画だったのです。出演しているジョン・ボイドの国防長官も、どことなく、あきれた風な演技です。いやはや、驚きました。ちなみに、パンフレットの裏面に、正義の方のリーダーの姿があります。赤と青は、スーパーマンのように米国の正義の印なのでしょうか。Img_0001それとも、実写のガンダムなのでしょうか?

折角の砂漠の戦闘シーン、軍の協力の下の作戦、あるいは、高速道路での取っ組み合い、ビルの中での戦いなどは、新時代の怪獣映画と評価しても、差し支えないと思います。21世紀の「サンダ対ガイラ」と言ったら、大げさでしょうか。

こうした素晴らしいシーンを、幼稚な設定が、すべてをぶち壊してしまいました。ヒットはするでしょうし、続編もできるでしょうが、私としては、次回作に期待せざるを得ません。まあ、スピルバーグも60歳とか、黒沢明ですら、晩年はぱっとしませんでしたから、無理も無いですが、インディジョーンズ4も控えていることですから、是非、奮起してもらいたいところです。 

2007年8月 1日 (水)

オペラ座の怪人

「オペラ座の怪人」は、サイレント時代から、何度となく、映画化されていますが、一番、有名な怪人が、最初の映画に登場した、怪奇俳優ロン・チャイニィが演じるファントムです。モノクロのサイレント映画ですが、仮面を剥ぎ取ったときに現れる顔は、骸骨のような悪鬼を思わせ、衝撃です。今回、このロン・チャイニィ版のジオメトリック社のレジンバスト・キットを完成させました。Dscn75681_2 Dscn75691_2 Dscn75701

ロン・チャイニィ自らが、考案したと言われています。メイクアップ材も、ほとんど無かった時代に、さまざまな工夫をしたようです。

後ろから見ると、やや悲しい姿です。(笑)

最近では、ロック・ミュージカルの「ファントム オブ パラダイス」、直近では、本格ミュージカル映画がありました。どうやら、舞台がオペラ座だけに、ミュージカル物が多い気がします。もっとも、最新の「オペラ座の怪人」のファントムが、あのスパルタの「300」の主演者とは思えませんが・・・。

とはいうものの、怪人の造型では、やはり初代のデザインと狂気には、かないません。 その雰囲気が、少しでもモデルに反映しておりますでしょうか?。

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