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2007年5月28日 (月)

ジュブナイル

Dscn6915 今をときめく「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督のデビュー作「ジュブナイル」です。この映画は、子どもたちが主人公のSFファンタジー映画ですが、当時にしては、SFXがなかなかの出来でした。内容も、心温まるもので、特に、家業のオンボロ電気店を営みながら、実は、発明で儲けた巨額の資金で、物凄い実験に取り組んでいるという設定の変な科学者役に、香取信吾が妙に似合っていて感心しました。邦画のSF映画で、CG技術をうまく使った最初の映画ではないでしょうか。さすがに、監督がSFX出身というのは伊達ではありません。中でも、宇宙人の存在感と戦マシンのシーンは、リアルで見事でした。

二作目の「リターナー」も、SFX技術が満載です。タイムパラドックスもののストーリーは、少し変かな、というところもありますが、金城武のスタイリッシュなアクションシーン、弾丸が雨あられ・・・に文句ありません。結構、銃撃シーンもリアルであまり気になりません。やっと邦画もこのレベルになりました。また、岸谷五郎の悪役も堂にはまっています。(この人は、素顔がこわいので、テレビの滑稽で人の良い役が良い味を出すのですね・・・。) そして、あんまり可愛らしくない主演の女の子(すみません・・・名前知りません。)もアクションによく頑張りました。女子タレントの甘えたアクションにしばしば見られるような違和感はありません。さらに、樹木希林も、相変わらずの存在感です。ただ、宇宙人が前作に似ているのが残念です。しかし、思えば、飛行機のトランスフォーマー(変身)は、もう何年も前に、この映画で実現しているのです。大げさに言えば、先見の明がある上、ハリウッドのSFアクションに張り合える出来でした。

ということで、さあ、三作目は、どんなSF超大作になるのか、と期待していたら、CG技術を駆使した昭和時代の再現映画「ALWAYS」です。しかも、予想に反して(?)大ヒットでした。現在、続編も製作中とのことです。SF好きのスタッフから、家屋の模型ばかりという愚痴も聞こえてきそうです(DVDのメイキングにありました。)が、まあ、勝てば(ヒットすれば)官軍でしょう。SF映画は当分、お預けのような雰囲気です。もっとも、私も、小雪のその後も見たいし、我慢しましょう。ただ、次回作は、山崎監督独自の本格的なSF映画、怪獣が登場する映画でも撮ってほしいものです。

2007年5月27日 (日)

アナコンダ

Dscn6646 「アナコンダ」という、その名のとおり、アマゾンに棲む大蛇の恐怖の物語です。アマゾンをボートで遡上していくシーンや停泊する場所などは、「大アマゾンの半魚人」のムードが満ちあふれ、「ジャングル=熱帯雨林」が好きな私(もちろん、あくまで図鑑やテレビで見るだけのことです。虫や臭いで、とても実際に出かける勇気はありません。)としては、わくわくします。

アナコンダは、水中を自在に泳ぎ、水中から人間を襲うのです。まるで、半魚人のように・・・。あるいは、ジョーズですか・・・。

ジョン・ボイドの悪役ぶりが板についています。主演女優のジェニファー・ロペスも、初めて見た気がします。肝心なモンスターと呼んでも差し支えないほど巨大な「アナコンダ」も何匹も登場します。まだ、製作当時は、CG技術が草創期であるせいか、動きに、違和感や薄っぺらな印象を与える箇所もありますが、十分楽しめます。クライマックスは、CGと蛇の模型がうまく組み合わされています。

写真のように、DVDも発売されていますので、気楽に、肩を張らずに見ると、結構面白いですよ。なお、続編も製作されましたが、主演も変わり、CG技術の進歩による蛇の数が増えても、面白さが増えるわけでもないことが証明された作品です。CG技術は、かつて、時代劇の分野で、黒澤時代劇「椿三十朗」に勝とうとして、血糊を増やして滅び去った東映時代劇の悲劇が繰り返されるような気がします。なにしろ、いまCG全盛のハリウッドの洋画より、邦画が人気であることも、その予兆かもしれません。・・・余談でした。

2007年5月26日 (土)

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

久しぶりの記事です。

「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新作で、完結編の「ワールド・エンド」を観て来ました。1作、2作について、やや辛口の批評をした私としては、完結編の出来が、気になっていました。

Img_7 さて、鑑賞した感想といえば、◎です。誠に良くできています。お勧めです。最終作にて、有終の美を飾ったといっても、過言ではありません。ともかく、クラーケンに飲み込まれ、蛸の怪物に異世界に閉じ込められたジャック・スパローを探しに出るまでのエピソードなど、快調な演出です。前作のふざけたギャグのようなアクションも影を潜め、ユーモアとアクションが程よく交差しながら、ストーリーが展開します。いきなり笑える、椰子の実のカモフラージュ(007ゴールドフィンガーへのオマージュか?)とオチです。今回は、俳優達のギャグのレベルが上がっています。何回か吹き出しました。さらに、視覚的にも、この世の果ての海、海賊船、見事な美術セットなど、ますます磨きがかかっています。前半は探険・冒険映画、後半は海戦映画と2度楽しめます。戦闘シーンも迫力があります。なにしろ、上映時間3時間ですから。見応えもありました。意外な怪物もその正体をあらわし、ラストもなかなか意表をつきます。ただ、延々続くエンドロールの後のエピローグは、止めてほしいものです。この部分は、正直、迷惑でつかれました。また、個人的な好みでいえば、2作目で大暴れしたクラーケンの扱いが気に入りません。(映画を見てのお楽しみ?)

ともかく、堂々たる活劇映画といってよい出来です。是非、ご覧ください。

しかし、写真のパンフレットの700円は、高い。内容が何も無いのです。主演者達の大きな写真とインタビューだけ。俳優の写真や話より、舞台裏をもっと載せんかい!!・・DVDの発売が待ち遠しいものです。

2007年5月15日 (火)

トレマーズ

Dscn7038_1 地中に生息する巨大生物の襲来を描いた「トレマーズ」です。砂漠の真ん中に取り残されたような小さな西部の町で、起こった人食い生物のパニックを、どこかコミカルに描いた映画です。次々と犠牲者が出るのに、ケビン・ベーコンら登場人物の掛け合いが漫才のようです。「グラボイズ」と名付けられた巨大生物の設定も馬鹿馬鹿しいものです。振動を感じて、地中を突進し、獲物をくわえ、飲み込むのです。最初、地上に出てくるのは三本頭の竜のようですが、実は、獲物を感知する舌で、本体は巨大な顎をもつ地中生物だったのです。住民の逃げ方も、屋根に上ったり、岩に残ったりと何故か笑えます。また、軍事、銃器マニアの夫婦なども、いかにもアメリカらしいものです。間違いなく、低予算だろうと思いますが、演出がなかなか快調なのです。青い空と荒涼たる砂漠の風景は、能天気で、アイディア勝負の快作です。未見の方は、どうぞ、ご覧ください。なお、続編も作られ、巨大なミミズのようなグラボイズが、2作目には七面鳥の姿に変わり、3作目では、お尻からガスを出して空も飛びます。まったく、ふざけた設定です。続編は、あまりお勧めはいたしません。4作目もあるようですが、これは未見です。

2007年5月 6日 (日)

大アマゾンの半魚人(その3)

三度目の「大アマゾンの半魚人」の話です。今回は、ホライゾン社のレジン製キットが完成しましたので、そのお披露目です。これで、半魚人は、自分で作ったガレキだけで、5体目です。完成品ガレキは、外に数体、あります。私もホントに好きです。(他の作品等は、2006.8.6のブログ「大アマゾンの半魚人(その2)」をご覧ください。)それにしても、いかに、この半魚人のデザインが優れているか、ということをつくづく思います。

さて、今回挑戦したのは、理由がありました。

実は、あるサイトに、ビリケンの半魚人の素晴らしい作品が掲載されていました。(残念ながら、何処のサイトだったか、失念しました。誰か心当たりある方は、是非教えてください。) 黒の背景の中に浮かび上がる、金色に光る鱗やボディラインは、まるで「谷崎潤一郎」の世界のような、素晴らしい写真でした。一方、素人で独学の私には、どのようにしたら、こんな塗装ができるのか、不思議でなりませんでした。が、ある日、突然、その技法を思いついたのです。簡単なことでした。それを試してみたのです。もちろん、そのサイトの作品には、本当は、もっと高度な技が駆使されているとは思いますが、まあ、感じは似てきました。ご覧あれ。Dscn72181 Dscn72191                               Dscn72261 Dscn72281 Dscn72291

映画はモノクロですので、実際の色には諸説あることは、以前にもお話しましたが、映像を見る限り、銀色に光り輝いて見えます。私のお気に入りの主演女優(ジュリア・アダムス)が、DVDのメイキングで証言したのは、「淡いグリーン」でした。ただ、当時の撮影技術では、暗い水中撮影には、やはり、反射する銀色だったのではないかと推測します。それに、証言のグリーン系を加えると、あーっら不思議、写真のような色彩になりました。1年弱前の作品と比較すると、なかなか良くなりました。今の時点での私の究極のモデルです。これで、しばらく、半魚人とはお別れです。

2007年5月 5日 (土)

宇宙水爆戦(その2)

「宇宙水爆戦」は、まだDVD化されません。50年代を代表するSF映画の一つだというのに、映画会社は、何をぐずぐずしているのでしょうか。早く、発売してほしいものです。さて、今回で、実は、三回目の登場です。2回目は、BEMのタイトルでした。そうです、やはり、「メタルーナ・ミュータント」のお話です。ビリケン社のソフビキットを塗り替えました。なんとか、色目は、改善しましたが、血管を丁寧に描く根気が続かなくて、やや手抜きになりました。当面、このモンスターには、かかわりたくありません、というのが正直な気持ちです。

Dscn71881 Dscn71891 Dscn71901 Dscn71961                        

と言いますのも、リペイントへの期待を込めて、再塗装したのですが、これが想像以上に手間でした。まず、前の塗装をきれいに剥ぎ取ることは、なかなか大変です。完全には取れません。残滓があれば、出来もいまいちとなります。また、精神的に、二度目の作業は、楽しくありません。ついつい、手抜きになります。いやあ、懲りました。

しかし、この映画は、機会があれば、ご覧ください。道具立てが面白い、SF映画の古典です。

2007年5月 4日 (金)

ドラキュラ

ブラム・ストーカーの小説の映画化、ドラキュラを冠した作品は数々ありますが、その名もズバリ「ドラキュラ」というタイトルの映画です。Dscn6913 といっても、ハマー・プロ作品ではなく、フランシス・コッポラが監督した映画で、ほぼ原作に忠実です。出演者も豪華です。ドラキュラは、ゲイリー・オールドマン、ヘルシング教授に、アンソニー・ホプキンス、そのほか、キアヌ・リーブス、ウィナ・ライダーなどが出演しています。さすがに、レクター役をこなすホプキンスは貫禄です。ただ、ドラキュラについては、評価が分かれます。古城で、年老いた姿で登場したときの演技や扮装、特に、剃刀の血を舐めるシーンなどは、オールドマンらしい曲者演技が快調でした。しかし、若返って、倫敦の街に現れた姿の貧素なこと、まちがっても、伯爵という貫禄はありません。特に、あの青いサングラスと髭は、全くいただけません。この映画は、何より、衣装が素晴らしいのですが、この時の扮装はまったく気に入りません。ちなみに、ドラキュラが吸血鬼になる前、トランシルバニアの騎士だった時の、甲冑姿は絶品です。狐型?レッド・ブラウンの斬新な甲冑のデザインは見事の一言です。ホライゾン社から、ソフビのキットが発売されていますので、通常、人間のフィギュアは敬遠するのですが、おもわず作ってしまいました。Dscn7179 Dscn7185 Dscn71831 Dscn71821 やや、色が暗くなったのが、残念です。

最近、全身像の製作をご無沙汰していまして、塗料の量が足りず、継ぎ足していくうちに、すっかり、濃くなってしまいました(笑)。モデルの出来はともかく、デザインは、素晴らしいですよね。また、この映画は、B級のテイストを前面に出しており、そのあたりは、一定、評価できます。たが、狼への変身は、大猿の様でいただけません。

ところで、この映画にはパロディが製作されています。監督は、パロディ映画の雄、メル・ブルックスで、タイトルは、主演者の名を冠した「レスリー・ニールセンのドラキュラ」です。ドラキュラの年老いた扮装姿を、デフォルメしているのは、笑えます。Dscn7040 しかし、なんといっても、ドラキュラをパロった傑作は、「ドラキュラ都へ行く」です。一度、是非、ご覧ください。本当に笑います。しかも、なかなか良く考証も伏線もあります。

Dscn7044 ちなみに、もう一本、同名の映画「ドラキュラ」があります。フランク・ランジェラという俳優が、ブロードウェイの舞台であたり役となった劇を映画化したものです。この映画は、ホラーというよりは、一流の文芸作品、大作なんだということを前面に押し出しているような気配が強く感じられます。共演者も、ヘルシング教授に、なんと、ローレンス・オリビエを迎え、ドナルド・プレザンスなども共演です。しかし、なんといっても、ヒロイン役のケイト・ネリガン(多分、こんな名前)が良い。 歴代のミナ・ハーカーの中で、もっともイメージに近い。私のお気に入りです。(最近、とんとお見かけしないですが・・)また、切り立った崖、大荒れの海、あるいは、建物、扮装など、本当に大作らしい豪華な雰囲気を見事に出しています。ただ、残念なことに、舞台と映画は異なるものなのでしょう。主演にドラキュラらしさがありません。甘いだけの二枚目のようです。壁を這い上がっていく場面や一瞬にして狼に変身するシーンが記憶に残っているだけです。本当に惜しいことをしました。つまり、全体としては、あんまり面白くなかったのです。写真のようにビデオは発売されています(絶版)が、多分まだ、DVD化されていないと思います。まあ、機会があれば、ミナ・ハーカーを見てください。(笑)

2007年5月 3日 (木)

スパイダーマン3

昨日、「スパイダーマン3」を見てきました。敵が3人も登場することに少々危惧を抱いていましたが、結果は、やはり、予想したとおりになってしまいました。もちろん、一般的な水準から言えば、一定のレベルには達していますが、なにしろ、前作の「スパイダーマン2」があまりにも良く出来ていたため、どうしても、それと比較してしまいます。本当に残念です。

なにが、前作に比べてだめだったのか、というと、やはり、サプライズが無いのです。例えば、サンドマンの動き等は、想像していたとおりでしたが、「2」の「ドック・オク」には、4本の足を使った動きや足音など、観客の想像をはるかに超えた、衝撃的な映像表現がありました。今回は、そうした驚きがありませんでした。

Img_6 また、3人の敵役を登場させ、それぞれの誕生から盛り込んだため、あまりにも、ご都合主義的なストーリー展開となってしまったことや、各登場人物の心理が良くわからず、共感できないままラストを迎えました。主人公の慢心、ヒロインの嫉妬、友人の復讐と友情、ライバルの性格、悪人か、善人か不明な砂男。いずれも共感できないのです。SFXも想定の範囲内であり、驚きのシーンがまるでありません。(映像が見慣れたものになってしまったのです。)写真は、600円で購入した映画パンフレットです。

それにくらべて、前作のドック・オクの魅力的なこと。主人公の自信喪失も共感が出来ました。(慢心小僧は、共感できません。)Dscn66181 Dscn6622 Dscn6621写真は、アクション・フィギュアを改造(関節を固定し、塗装しなおしただけ)したものですが、なかなか雰囲気は、出ていますでしょう。

それにしても、この蜘蛛男シリーズも、かつてのスーパーマン映画と同じように、2作目までが限界なのでしょうか。そういえば、ずっこけた記憶のある、スーパーマン3でも、確か、悪の心と善の心が対立するような話でした。うーーん、似ています。エイリアンもターミネーターも2作目まででした。さて、4作目は、製作されるのでしょうか。できましたら、初心に立ち返って、シリーズを継続して欲しいと願っています。

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