ジュブナイル
今をときめく「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督のデビュー作「ジュブナイル」です。この映画は、子どもたちが主人公のSFファンタジー映画ですが、当時にしては、SFXがなかなかの出来でした。内容も、心温まるもので、特に、家業のオンボロ電気店を営みながら、実は、発明で儲けた巨額の資金で、物凄い実験に取り組んでいるという設定の変な科学者役に、香取信吾が妙に似合っていて感心しました。邦画のSF映画で、CG技術をうまく使った最初の映画ではないでしょうか。さすがに、監督がSFX出身というのは伊達ではありません。中でも、宇宙人の存在感と戦マシンのシーンは、リアルで見事でした。
二作目の「リターナー」も、SFX技術が満載です。タイムパラドックスもののストーリーは、少し変かな、というところもありますが、金城武のスタイリッシュなアクションシーン、弾丸が雨あられ・・・に文句ありません。結構、銃撃シーンもリアルであまり気になりません。やっと邦画もこのレベルになりました。また、岸谷五郎の悪役も堂にはまっています。(この人は、素顔がこわいので、テレビの滑稽で人の良い役が良い味を出すのですね・・・。) そして、あんまり可愛らしくない主演の女の子(すみません・・・名前知りません。)もアクションによく頑張りました。女子タレントの甘えたアクションにしばしば見られるような違和感はありません。さらに、樹木希林も、相変わらずの存在感です。ただ、宇宙人が前作に似ているのが残念です。しかし、思えば、飛行機のトランスフォーマー(変身)は、もう何年も前に、この映画で実現しているのです。大げさに言えば、先見の明がある上、ハリウッドのSFアクションに張り合える出来でした。
ということで、さあ、三作目は、どんなSF超大作になるのか、と期待していたら、CG技術を駆使した昭和時代の再現映画「ALWAYS」です。しかも、予想に反して(?)大ヒットでした。現在、続編も製作中とのことです。SF好きのスタッフから、家屋の模型ばかりという愚痴も聞こえてきそうです(DVDのメイキングにありました。)が、まあ、勝てば(ヒットすれば)官軍でしょう。SF映画は当分、お預けのような雰囲気です。もっとも、私も、小雪のその後も見たいし、我慢しましょう。ただ、次回作は、山崎監督独自の本格的なSF映画、怪獣が登場する映画でも撮ってほしいものです。
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