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2007年4月15日 (日)

大帝の剣

Img_3 「大帝の剣」を観てきました。余り期待もしていなかったのですが、SF大講談映画としては、ひょっとしたら、邦画の中では鑑賞に耐えるレベルに達した、初めての作品かもしれないと思いました。(なお、「どろろ」は別格。)何故かというと、冒頭からのとんでもないナレーション(昔から、ナレーション付き映画は駄作と決めつけています・・(笑))に始まり、出演者すべてのハチャメチャ演技、思わず笑ってしまいます。アクションも、殺陣等の流れなどに難がありますが、まあ、阿部ちゃんも(TVドラマ「結婚できない男」からヒイキ)頑張っていますし、長谷キョン(TVドラマ「おいしい結婚」で見直した)もそれなりの演技しています。しかし、なんと言っても、宇宙人に乗り移られた権三の「アララ」は最高です。メイクアップのお粗末さも気になりません。竹内某は、いつもと同じ? あと、クドカンは、立派な脚本家なのに、どうして芝居に出てくるのでしょう。などど、多少文句もありますが、とにかく、最後までシラケルことなく、楽しめました。こうした類のSF時代劇では、過去、何度も煮え湯を飲まされましたので、ほっとしたというのが、正直なところかもしれません。様式美を期待する時代劇に荒唐無稽なストーリーが融合するには、このような、喜劇調、コメディ仕立てが最も似つかわしいのかもしれません。多分、原作の小説とは、全く雰囲気の異なるものなのでしょう。その点で、演出家の慧眼に感嘆します。(ただ、演出の絵作りは、「どろろ」を見習って、もう少し凝ってほしいなあ。)

さて、原作も読んでみようかなあ。こういうことが邦画でできるなら、初期の作品の「幻獣変化」、あるいは半村良の「妖星伝」などを映画化しないかあ。折角、邦画勢が頑張っているのに、「ジンギスカン」や「椿三十郎」などの製作などを行っていると、またまた邦画界の芽を摘む道かもしれないのに・・・などと、無用の心配をしているのでした。

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