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2007年1月31日 (水)

猿人ジョー・ヤング

Dscn6905 Dscn6658 映画「猿人ジョー・ヤング」は、「キングコング」を生み出した特撮マンのオブライエンとその弟子ハリーハウゼンのコラボレーションで作られた、傑作モデルアニメーション映画です。幼い頃、テレビ放映で見て以来、その面白さに惚れています。

現在、見直しても、当時の特撮技術も決してその価値を失わず、ぎごちない動きが、モノクロとあいまって、なんとも魅力があります。また、巨大怪獣ではなく、巨大生物というサイズも、ライオンを投げ飛ばしたり、力自慢の格闘家達とのユーモラスな綱引きなど、映像的な効果をいっそう高めています。蛇足ながら、分厚い電話帳を引き裂くようなパフォーマンスや、毛皮を巻いた野獣のようなプロレスラー達の姿は、いまだに目に焼きついています。そして、最後もハッピーエンド、なんとも心に残る映画です。DVDも発売されています。是非、機会があれば、古典としてお楽しみください。

ところで、この映画は、半世紀たって、「マイティ・ジョー」として、類人猿フリークの特殊メイクアップ師のR・.ベーカーのメイク技術やCG技術などを使ってリメイクされています。しかし、猿のリアルさの向上が面白さにつながるものではありません。逆に、印象としては、シャーリーズ・セロンの姿の方が目に焼きついています。(当然?)そして、レイ・ハリーハウゼンのカメオ出演が話題になりました。ともあれ、リメイク映画が製作されるのは、オリジナルが隠れた人気を保っている証拠ですし、アメリカではガレージキットも依然として発売されています。また、機会があればご紹介します。 

2007年1月28日 (日)

どろろ

話題の映画「どろろ」を観てきました。Dscn6963 実は、山田風太郎の名作「甲賀忍法帖」を見事にぶち壊した「SHINOBI」の苦い経験や、いわゆる妖怪マニアを自称する製作関係者が連発する駄作に疲れ果てており、今回もどうせ、過大宣伝による子供だまし程度だろうと、その出来には、余り期待していなかったのです。

ところがどっこい、どうして見事な出来でした。色彩を抑えた画調、死屍累々という戦場跡、荒涼とした壮大なニュージーランドの風景、異文化が融合し、生活感のあるセット(ただし、踊り子のブラは余りに今風で違和感あり。)、蟹蜘蛛や桜老木の妖怪をはじめとする妖怪の造型は好感が持てました。(ただし、蜥蜴の妖怪は、怪獣の着ぐるみのようで失敗作です。)

 とりわけ、東映時代劇の安っぽい、建売のようなセットではない家屋や町並(ラストサムライの幕末写真に出てくるようなセットはある意味衝撃でした。)、そして、水木茂が描くような城も、織田信長の安土城を取り入れており、大変楽しませてもらいました。かつての黒澤映画のように、細部までよく気を配っていますし、結果、映画の出来にも違いが出ました。

 また、出演俳優も好演です。特に主演の若い二人は、頑張りました。気の合っている様が心地よく、よかったなあ。

そして、何よりも、シナリオが良い。手塚治虫の原作の世界観を上手く映画化しており、単なる妖怪退治物ではない、深みを感じさせるストーリーとなっていす。あえて、文句を言えば、ワイヤーアクションかな?(空飛ぶ剣戟は、一部の映画を除いて、好みに合いませんので・・・。)

Dscn6965 ともかく、百鬼丸とどろろの仲の進展と、残りの妖怪退治の続きを見たくなりました。(大げさに言えば、こんなことは、椿三十郎以来です。(笑))

それにしても、最近の邦画の質の良いこと、力のあること、元気の出ていること、時代劇、邦画ファンとしては、大変、うれしい限りです。若い力が大きいのでしょう。今後とも、頑張ってほしいものです。(老舗の映画会社が口を出さないことが良い結果を生んでいるような気がするのは、誤解でしょうか。 )

上の写真が劇場パンフレット(600円)の表紙で、下の写真は、いわゆるガイドブック(1300円)であり、思わず両方、購入してしまいました。最近は、映画鑑賞も高くつきます。

2007年1月14日 (日)

クリストファー・リー物語

「クリストファー・リー」は、いわずと知れた「吸血鬼ドラキュラ」で一世を風靡した英国のドラキュラ役者です。私、大伴昌司が編集したキネマ旬報別冊のホラー映画特集を見て以来のファンなのです。今回、オルタネイティヴ・イメージズ製のレジンキットの胸像(スティーヴ・ウエスト原型)を完成させましたので、ご覧ください。Dscn6947 Dscn6955 Dscn6959

この映画は、前に「ユニバーサル・モンスター」の時にご紹介しましたとおり、吸血鬼映画としては、初のカラー映画で、大傑作です。

Dscn6906 Dscn6907_1 この1作で、クリストファー・リーは、ドラキュラの代名詞となりました。当たり役は、その俳優にとっては、両刃の剣です。あのショーンコネリーが007を脱するに悪戦苦闘したとおりです。結局、しばらくは、ハマープロのドラキュラのシリーズに出演するものの、それ以外は余りぱっとしませんでした。 「1941」も三船敏郎と同じく、期待はずれでしたねえ。                     

Dscn6908 Dscn6909 Dscn6910 ところが、晩年、不死鳥、いや文字通り「不死者」のようによみがえり、確かに年は取ったものの、持ち前の低音の魅力を生かした活躍をしています。「スリーピー・フォロー」、「チャーリーとチョコレート工場」、「ロード・オブ・ザ・リング」、ついには、SWにも、ライバルのピーター・カッシングに遅れること二十年、で登場したのです。なにしろ、ヨーダとアクションまで披露したのですから驚きです。それにしても、これらの活躍は、やはり、それぞれの監督が、クリストファー・リー、いや「生きているドラキュラ」のファンだったのではないでしょうか。(そう確信しています。)ともかくも、いつまでも、元気で頑張ってほしいものです。

2007年1月 8日 (月)

高山良策の世界

皆さんは、「高山良策」という人をご存知でしょうか。どっかで聞いたことがあると思います。そう、ウルトラ怪獣の着ぐるみを作った人です。今回、その高山氏の生前の功績を集めたDVD「怪獣のあけぼの(前・後編)」を視聴しました。いやあ、世の中には、奇特な方がいらっしゃいます。高山氏の現存する造型のかけらを考古学的に検証しながら、遺産を復元し、記録しようというのですから、頭が下がります。頑張ってほしいものです。なんといっても、成田亨の奇抜なデザインに命を吹き込み、生き生きとした生物感のある怪獣を生み出したのは、まさに、高山良策氏の偉大な功績です。

 200586_0091 さて、私もウルトラQや初代ウルトラマンの時代を生きたものですが、残念ながら、事情があって、リアルタイムでTVを見ておりません。わずかな雑誌のグラビア写真で想像をたくましくしたものです。特に、DVDでも話が出ましたが、ウルトラQの「ペギラ」は、それまでのゴジラを代表する怪獣のイメージを一新しました。象のような皮膚感、飛べない羽、曲がった角や牙、海豹のような哺乳類的な顔とひげ、そして、眠るような目。少年誌の表紙に少年と並んで立っている写真は真に衝撃でした。あと、高山氏は、「ガラモン」や「ケムール人」、「ベムラー」、「レッドキング」等々を製作しており、映画でも「大魔神」や「バルゴン」などにも携わっていました。200511131_008_1 Dscn65941いずれも、無駄のない、命が吹き込まれた生き物です。

高山氏の造型力は一桁違います。その証拠に、その後、製作される怪獣たちのダサいこと、おもちゃっぽいことで一目瞭然です。材料もそんなに無い時代に、まさに、天才のなせる業です。高山DNAを受け継ぐ皆様には、是非、インタビューでの賛辞の言葉より、ご自身の作品での表現に期待しています。

なお、写真のペギラは、昔、大石透という原型師(私、遅過ぎたファンです。)が作った、マーメイド社販売のソフビ(絶版)の中古キットの完成品です。ついでながら、今は、会社が変わっているようですが、大石透作の幻のキットである、ハリーハウゼンの一連のキットを、どこかで再発売してくれないでしょうか。ちなみに、写真の大魔神は、エステル社のレジン製スタチュー(DVDにも登場)であり、バルゴンは、海洋堂のソフビキットです。

 

2007年1月 7日 (日)

スーパーマン2

Dscn6657_2 ご存知、「スーパーマン」の新作が、最近、公開されました。なんと、1978年に製作された、ジーン・ハックマン、マーロン・ブランド、テレンス・スタンプなどの大スターが集合した映画の続編とのこと。今回の監督の話によると、「スーパーマンⅠ」と「スーパーマンⅡ冒険編」の続編ということでした。どの国にも、オタク監督と呼ばれるマニアはいるようです。確かに、前回のシリーズは、第3作以降は、目も当てられないような、無様な作品でした。もっとも、第1作目も、大スターが集まったということ以外は、それほどの内容じゃありません。ましてや、時間を戻すに、地球の自転を逆回転させる等というストーリーには、あきれを通り越して笑ってしまいました。こんなものが、第1級の作品でしょうか。

 真の価値がある映画は、誰がなんと言おうが、第2作目です。リチャード・ドナー(第1作の監督)ではなく、リチャード・レスター監督の「冒険編」です。この映画では、悪役3人組みが大活躍です。テレンス・スタンプが余りに簡単に達成できる世界征服に自嘲したり、敵方の女に、悪の魅力満載のコスチュームが何故か似合っていたり、様々な大道具やセットが簡単に持ち上げられたり、壊れたり、全編、楽しさが満載でした。CG技術のない中での、スピード感あふれる、おふざけ空中戦も面白かった。また、スーパーマンが、人間になって、楽しいことやら、つらいことを経験するのも、大げさに言えば、哲学的で、笑いました。ヒネリのきいたオチやら、お遊びが本当に楽しめました。これが本物の、知的で上品な娯楽、エンターテイメントです。ギャグも多いです。DVDは、2作目を是非、ご覧ください。3作目以降は、見ないほうが良いですよ。(なお、レスター監督にも、スランプはあります。)

2007年1月 1日 (月)

キングコング(その3)

1年ほど前に、ピーター・ジャクソン監督の新生「キング・コング」を、ブログ記事の記念すべき第1回目として取り上げました。Dscn6869 そして、先月、待ちに待った未公開シーンを含むDVDが発売されました。やっと、あの巨大魚の姿が確認できましたし、変な蟹の出現も楽しみました。何故、劇場版でカットしたのでしょうか。Dscn6870 ちなみに、隣の写真のDVDは、当初発売のものです。

ところで、1年前の記事で心配していたとおり、映画関連のコレクションとして、数々のフィギュアが発売されました。今回、少し、紹介しましょう。まず紹介するのは、今回の新DVD発売に敬意を表して、噂の巨大魚を唯一立体化していた、海洋堂のボトルキャップからです。Dscn6861 最初のものが、巨大魚です。

Dscn6857 Dscn6858 Dscn6859 Dscn6860 Dscn6864 Dscn6862 Dscn6863 Dscn6866 Dscn6867

小さいながら、なかなかの出来です。

次に紹介するのは、やはり、映画制作の関係会社のウェタ社から発売された巨大フィギュアです。発売されたのは、恐竜の頭部や様々な乱闘シーンなど何種類もあるのですが、いずれも、精緻な作りですが、ともかくも、サイズがデカいのです。とても、日本の一般的な家屋には入りません。Dscn6437(我が家のことです。) 写真のものは、比較的小型の大きさのブックエンドです。恐竜のデテールが凄いの一言です。最後のものは、購入後未開封のまま秘蔵している一品です。Photo_1 とても飾れないほど大きいものです。

ところで、DVDを見直すうちに、CG製の恐竜らの動きが、少しアメリカの漫画っぽいのが気にかかりました。ロードオブザリングに比較して、薄手で安っぽく感じました。いやあ、気のせいですよね。

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