地球最大の決戦
前回の記事のアニメーションのくだりで、久しぶりに邦画のSF映画を思い出した。今回、まず「地球最大の決戦」を取り上げます。題名は、正確には、その頭に「三大怪獣」が付くのですが、まあ、細かいことはさて置いて、この映画の持つ意味としては、キングギドラが登場したことです。ゴジラ、ラドン、モスラという、東宝怪獣映画史上、一枚看板を張ってきた主役が、文字通り三大怪獣として、一堂に介し、宇宙の破壊怪獣キングギドラと戦うというストーリーです。 もちろん、地球の三大怪獣には、それぞれの実績に応じた見せ場が用意されてありまして、富士山麓でのゴジラとラドンの戦いなどは、なかなか見応えがあります。ラドンの登用がうれしいものでした。
一方、敵役の怪獣は、それに匹敵するような力量が無ければいけません。その新しい怪獣は、竜の首を3本持ち、悪魔のようなドラゴンの羽があり、全身金色のウロコで覆われた怪獣。それまでの実際の生物(恐竜、翼竜、蛾)を基にしたデザインから、一挙に空想の産物より着想したデザインに転化しました。新聞記事で、そのデザインを見て以来、当時の少年達は、どれほど封切りを待ち焦がれたでしょう。
さて、キングギドラについては、前回の記事のとおり、隕石から登場するアニメのシーンがなんとも気に入りませんが、その他のシーンは、見事というしかありません。3本の首が自在に動き回り、空中に無重力のように浮かび上がり、引力光線を無造作に吐き、都市を破壊しつくす光景は、特撮スタッフの操演技術の粋を見せた物と思います。
もっとも、その後は、続編のような「怪獣大戦争」以外では、キングギドラは、輝きを失いました。理由の一つは、怪獣映画の衰退により、着ぐるみが劣化し、首が動かなくなったことやただの模型のような感じで、哀れをそそります。また、その後、長い年月を経て、復活した時も、新たに製作した着ぐるみ自体、デザインが微妙に異なっており、操演技術(スタッフ)の喪失と合いまって、キングギドラと称するに値しない、似て非なる怪獣でした。残念ながら、今後、ゴジラ映画がCG技術での新たな挑戦が始まるまで、気長に待つしかありません。 なお、上の写真は、バンプレスト社の巨大なレジン製・フィギュアです。
下の一連の写真は、X-PLUS社のチェスピースの小さなレジン製のフィギュアです。飛び方がギドラらしいので、おまけで添付です。
ところで、東宝がゴジラ映画等の新作を作るときは、是非、山崎貴監督を推薦したいなあ。SFに造詣が深そうで、SFXの生かし方のセンスが光ります。樋口監督でもいいなあ。ともかくも、二度と、カンフー映画など、見たくありません。
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