猿の惑星
ティム・バートン監督特集として2作品を紹介したところですが、次は、「猿の惑星」の話題に移りたいと思います。といっても、バートンのリメイク作品ではなく、本家本元の「猿の惑星」です。(つまり、バートン特集は、終了です。)
この元祖の作品は、ラストの衝撃も素晴らしいですが、当時は、何よりも、史劇大スターのチャールトン・へストンがSF映画に出演したことで、子供だましで、B級映画の代表格のように見られていた、いわゆる空想科学映画のステイタスが上がったかのような気がした思いがあります。(もっとも、ベンハー、十戒などの歴史劇では、ぴったりはまって存在感があるものの、現代劇には全く似つかわしくないところから、設定が未来などのSF映画に出演することが、当の本人にとっても必然だったと思います。)また、猿の特殊メイクも大変話題になりました。今、見ると、大したことはありませんが、当時はなかなか見事なものと思えました。しかも、「2001年宇宙の旅」の猿人より、評価が高かったのですから、世の中、世間の目というものはあてにならないものです。(第一、「2001年宇宙の旅」は、映画自体、お蔵入りで、相当後から評価された名作です。公開当時は、世評ともまるっきり無視だったというのが、歴史の真実です。やはり、時代が後から追いついていくというだけの歴史に残る名作だったのでしょう。)
映画の内容も、最初にゴリラの兵士がトウモロコシ畑に登場するシーンなど、十分刺激的で娯楽性に富んだものでした。見ざる聞か猿もよかったなあ。(欧米にも、あの格言はあるのかねえ。)セットも奇抜で、予算が少ないせいとは思いませんでした。
さらに、第三作以降は、輪廻転生のようなタイムトラベルものへとシリーズ化されました。しかし、続編で、地球が爆発すれば、普通、その続編は作りようがないと思います。ともかく、その着想の見事さ、奇抜さに脱帽です。ドラキュラの復活より凄い思い付きです。もっとも、映画の中で猿の会話が英語であることは、映画を見るための約束事であったのを、ラストで逆手に取った設定を作り出した脚本スタッフですから、その凄さに改めて感心します。
ただ、個人的には、映画の原作が、猿が人語を話すのは、東洋人を意味した意図があることを聞き及んで以来、続々編の作品あたりから、あまり見ていません。まあ、こういう原作だから、ヘストンが出演したのかもしれませんが・・・。(あくまで個人的な推測です。)
しかし、何故、バートン監督がリメイクを受けたのか、不思議でなりません。いくつかのこけた作品の借りを返したのでしょうか(笑)。ともかく、リメイク作品は、作り方が基本から間違っていませす。チンパンジーたちに衣装を着せたような演出(猿の仕草の物まね演技)ではなく、進化した猿人的な演出が必要です。(旧作はその辺はわきまえていましたなあ。)また、タイムトラベルのオチも全然、意図がわかりません。オチのためのオチは、何の意味も効果もありません。結果、映画の出来は無残なものです。
ところで、元祖「猿の惑星」関係では、アクション・フィギュアもいまだに発売されているようです。私、持っていません。可動式は基本的に好きではありません。なお、さんざん、映画の悪口言いましたが、DVDは、旧作、新作ともコレクションしていますので、あしからず。(後ほど、証拠の写真追加します。)
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