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2006年9月27日 (水)

スピルバーグ、スピルバーグ(その4)

さて、スピルバーグ作品のお話は、今回でいったん終わります。実は、前回、取り上げた「ロストワールド」以後は、画期的な作品といえば、「プライベート・ライアン」しか、ありません。Dscn6494_1 この映画は、第二次世界大戦もの、いわゆる戦争ものを、最新の技術を駆使して、戦場の悲惨さをリアルに描いた衝撃作です。

SFでもなく、モンスターも出ませんが、色彩を抑えた画調、手持ちカメラのブレや変幻自在に変わるコマ数などの撮影の見事さ、そして、海中を突き抜ける弾丸などをSFX技術で完璧に再現しています。タイガー戦車のキャタピラはCG製とか?さすがに、スピルバーグは、スピルバーグです。もう、能天気なアクション戦争映画は作れません。その方面のファンとしては、少し残念です。

 その後、「A.I」とか、「マイノリティ・リポート」などのSF映画を撮りますが、何故、こんなものを作ったのか、よくわかりません。どこかに、迷い込んでいるような感じです。Dscn6500

そして、以前に、このブログで、辛口に紹介した「宇宙戦争」です。リメイクされた「宇宙戦争」は、ある意味で、これまでにない、画期的な「宇宙人侵略もの」ですが、期待していただけにがっかりです。もちろん、見せ場としては、町の破壊シーンは、物凄くよく出来ており、怪獣映画らしいシーンもありますが、スピルバーグゆえに、映画として、もっと、もっと期待していたのです。残念でした。

最後に、オリジナルの「宇宙戦争」の円盤の模型写真を紹介して、初心に返ることを祈念し、次の作品に期待することとしましょう。 Dscn6396このキットは、海外のジオラマキットから、取り出し、自作の台座に取り付けたものです。光線の色に試行錯誤中です。 Dscn6387 Dscn63881

なお、スピルバーグの初期の作品には、「ET」や「未知との遭遇」などの大ヒット作品がありますが、私の好みではありませんので、紹介を省いています。ご了承ください。

2006年9月26日 (火)

スピルバーグ、スピルバーグ(その3)

Dscn6490 スピルバーグ作品の第3弾は、「ジュラシック・パーク」です。恐竜ファンであり、特撮マニアであり、映画大好き人間にとって、この歴史に残る映画を見た感動は、いまでも忘れられません。

最初に登場するブラキオザウルスの勇姿。まるで、野生動物の記録映画を見るかのようでした。動く筋肉、立ち上がって木の葉を食いちぎるシーンは、筋肉が動き、肌がたわめき、尻尾がしなうのです。CGによる画期的な映像でした。カメラは、足から、腹から、流麗に全身を映し出します。

そのほかにも、失踪する恐竜の群れ、機械仕掛けのティラノザウルスが、そのまま、全身を見せて、走ってくるときの驚き。機械仕掛けとCGの区別が全く付かないのです。

 かつて「キングコング」を見て、驚愕した当時の観客の驚きに匹敵するのではないかと想像しました。それまでの恐竜映画の最高峰といわれた「恐竜百万年」が、一瞬にして、その輝きを失い、モデルアニメーターがその職を失うきっかけになりました。(もっとも、形を変えて活躍しているようです。)

 まさに、歴史を作る、スピルバーグならでは、です。多分、スピルバーグでなければ、例え、技術的に可能だったにしろ、あの当時、莫大な経費のかかるCGは出来なかったと思います。

 そして、続編の「ロストワールド」です。ほとんど、ストーリー的には2番煎じのようですが、最後に、ティラノザウルスが都市に連れてこられてからが、見せ場となりました。街路をのし歩く恐竜、バスに激突するシーンなど、夢にまで見た、CGによる本物の怪獣映画でした。多分、スピルバーグは、このシーンを演出したくて、続編を撮ったのだと、私は確信しています。

 ところで、もう、いいかげん、邦画(ゴジラ)も、着ぐるみの伝統芸能をあきらめないのでしょうか。21世紀ゴジラを見せてほしいものです。(ハリウッド・ゴジラは、ゴジラ映画ではないのですが、あの特撮は、素直に大したものと認めるべきです。)

第3弾は、監督がスピルバーグではないので、魚食い恐竜が主役というのも、納得できませんし、プテラノドン以外は、全く評価できません。やはり、スピルバーグは、スピルバーグなのです。並べてみると、その差がよくわかります。Dscn6479 Dscn6478 Dscn6482_3

最後に、モデルキットは、現在、3種類持っていますが、いずれも、キットのままです。老後の楽しみです。

Dscn59221

代わりに、フェバリット社のディラノザウルスの骨格モデルを紹介します。 足元の小さいのは、つまらぬ食玩です。

Dscn6402

ところで、3篇を通じての悪役のラプトル(写真は、似ている日本の恐竜モデル)に、羽があったという最新の学説ご存知ですか?まったく、恐竜のイメージがぐちゃぐちゃになってしまうと嘆いているのは、オールドファンだけでしょうか?!(あの醜い復元図から見て、絶対、学説が間違っていると信じています。自然界の創造物はもっと美しいものです。)

2006年9月25日 (月)

スピルバーグ、スピルバーグ(その2)

スピルバーグ監督作品の第2弾です。

ここは、冒険活劇を復活させたことに敬意を表して、インディ・ジョーンズの3作品を取り上げます。どこにも、モンスターが出てこないじゃないか、という声もありそうですが、まあ、硬いことは言わないで。あっと、1作目の「レイダース」には、ラストで幽霊のような怪物が出ましたゾ。それに、3作目の十字軍の騎士も十分怪物です。Dscn6488_1 あえていえば、2作目の心臓掴み男も立派な怪物です。                                           さて、私のご贔屓のシーンを、記憶を辿る範囲で挙げれば、1作目では、大太刀回りを拳銃で撃つシーン、疾走するトラックでの殴り合い、組み立てハンガー(あれは傑作)、

2作目では、冒頭のミュージカル仕立ての幕開け、パラシュートなしの飛び降り、つり天井の恐怖、無数の蟲(あの虫の名が知りたいなあ)、つり橋のアクション、

 3作目では、父親役のショーン・コネリーの登場場面全部(初期の007映画の爽快感と贅沢さを何故か髣髴させます。)モーターボートのアクション、飛行機のトンネル通過、戦車との攻防、3つの関門等々、いくらでも名場面が思い浮かびます。2作目のヒロインも良い、ゲテモノ料理も忘れがたいです。Dscn6489_1

 3作とも、超度級のアクション映画ですが、ギャグに近い、ユーモアたっぷりの描写がふんだんにあり、サスペンスとアクションとユーモアの絶妙のバランスのさじ加減が素晴らしい。まさに、天才のなせる業です、凡夫とは一味もふた味も違います。(一時期の、我らの岡本喜八監督の作品にも通じます。) ともかくも、全編、活劇という名にふさわしく、また、設定自体が、時代も考古学者など、荒唐無稽さをカバーする工夫になっていますし、SFXをふんだんに使い、有名な伝説を現代に蘇らせています。ともかくも、見て楽しく、思い出して面白く、娯楽映画の王道を復活させています。さすがに、スピルバーグはスピルバーグです。一味違います。

なお、その根強い人気ゆえか、フィギュアもホライゾン社から、①主人公(ハリソン・フォード)②父親(ショーン・コネリー)などが発売されています。私の専門外ですので、情報提供だけです。                                                                                       

2006年9月24日 (日)

スピルバーグ、スピルバーグ(その1)

スティーヴン・スピルバーグは、いわずと知れた、ハリウッドのメガヒットメーカーの映画監督です。私もファンなのですが、その理由は、単に大ヒットの作品を作り続けるだけでなく、まず、何よりも娯楽性が高いということ、そして結果として、様々な分野で、エポックメーキングな、新しい試みを成功させていることに脱帽しているからです。というのも、私が最も嫌いなのは、独りよがりで芸術ぶった似非作品です。S・Sは、それと対極に位置しています。もっとも、昨今は、いま少し、狙いがズレてきたような気もしますが・・・。しばらく、スピルバーグの作品を取り上げたいと思います。

 Dscn6487 では、まず、映画デビューまもない頃の作品「ジョーズ」です。この映画のせいで、ホオジロザメの名が、顎の意味である「ジョーズ」という通り名となるほど、大ヒットしました。封切り当時、ともかく、サスペンスの盛り上げ方と絵作りの面白さに感嘆しました。まず、最初に犠牲者が海上を引き回されるシーンのインパクト。登場人物の味わい。サメが実際にその姿をあらわすまでのサスペンス。イカダ、樽、足など、小道具の使い方の絶妙さ。特に、水面すれすれから、揺れを伴ったカメラワークは、臨場感にあふれています。劇場に居て、まるでスクリーンの現場にいるような錯覚を覚えました。(ほんとに、大げさではなく、今でもその感覚を鮮明に覚えています。)極めつけのショックシーンは、いうまでも無く、沈没船の窓です。メイキングを見ると、何度もタイミングを違えた撮影をしたそうですが、その効果は抜群でした。私は、椅子の上で飛び上がりました。(何度もいいますが、ほんとです。今でもその感触をまざまざと覚えています。)ほかにも、様々な印象的なショットがあり、そこには、ヒッチコックなどの名匠の技が、隠し味として使われているとも聞きました。さすがに、映画手法を多くの名画から学んだといわれるスピルバーグです。話は変わりますが、過去の名画に学ぶということは、大事ですよね。少し前の閉鎖的な日本映画界にはすっかり絶望していましたが、最近の日本作品は面白いですねえ。どうしてこう良くなってきたのか、誰か、詳しい方、教えてくれませんか。

ともかく、「ジョーズ」は、1975年の作品ですから、30年前の作品ですが、まったく色あせていません。30周年の記念DVDーBOXも発売されましたし、依然として、フュギュアも発売され続けています。どんなフィギュアかというと、当然、サメの模型です。(笑)例えば、マクファーレン社からは、サメと船付きの完成品フュギュアなどがあります。Dscn6473

Dscn6475 やはり、スピルバーグは、スピルバーグです。

2006年9月18日 (月)

その名は、ハリーハウゼン(その7)

またまた、レイ・ハリーハウゼン作品です。今回紹介するのは、このたび、ジェントル・ジャイアント社から、発売された3種類の完成品ソフビ・フィギュアです。作品は、「タイタンの戦い」から、①メデューサ、②カリボス、③クラーケンです。値段の割には、大変よくできています。なんと、撮影に使った模型を3Dスキャンしたとか、という噂もあります。

Dscn6435 真偽はともかく、①は、頭の蛇の色がよくわかりますし、今後の色塗りの参考になります。

Dscn6433 ②は、これまで、モデルになったのを見たことがありません。(正直、あまり作りたいとは思いませんから(笑))

Dscn6430 Dscn6431 ③は、下半身をモデル化したのは、本当に珍しいのではないかと思います。なにしろ、全身の出るシーンはないのですから、撮影用のモデルを製作していたはずはないのです。このモデルは、初めて、全体像を3D化したものではないでしょうか。じっくりご覧ください。一応、こういう設定デザインだったのです。(ところで、クラーケンといえば、現在、上映中の「パイレーツオブカリビアン2」に登場しますが、伝説に一番近く、続編での活躍を期待しています。早く、足だけではなく、全身を見せてほしいものです。)

そのほか、ビリケン社の二本角のサイクロプスを初製作しました。やや、色黒になりましたが、ご紹介します。また、これから、色を塗りなおそうとしているジオメトリック社のメデューサや、DVDのオマケのグワンジ(恐竜)も併せてどうぞ。

Dscn63851 Dscn63861 Dscn6157 Dscn6140 これからも、新しい作品が発売や製作でき次第、順次、ご紹介しますので、よろしくお願いします。

ロード オブ ザ リング3部作

ピーター・ジャクソン監督の「ロード オブ ザ リング」のお話をしましょう。しかし、このオタクともいえる監督が伝説の映画を製作できたのは、何故なんでしょう。ハリウッドの人を見る目と底力には脱帽します。ようこそ、作らせましたねえ。

Dscn6451 さて、第1作「旅の仲間」は、私、正直言って、あんまり感心しませんでした。小さなホビットのサイズを巧妙に撮影していることや、死神(?)のマントがなかなか重厚に動いていること、ニュージーランドの大自然が凄いことなどだけが印象的でした。それよりも、登場するモンスターがどれも汚い面相です。かっこ良さがありません。出演者もほとんどが無名です。あんまり、評価しませんでした。ところで、あの川の中の蛸のような怪獣は、どんな姿でしょうか。暗くてわかりませんでした。スタチューがあるように聞きましたが・・・。ラストは、突然、「続く」が出るように終わりますし、まあ、お披露目という感じですか。(笑)

Dscn6450 第2作「二つの塔」は、徐々に、本来の醍醐味を醸し出してきました。巨大な木の精の攻撃も見ものでした。やっと、戦闘シーンなどに、この監督らしい面白みが出てきました。

Dscn6449 そして、やはり、極めつけは、第3作の「王の帰還」です。なんといっても、モンスター大軍の城攻め、そして、巨大な石礫や、縦横に飛ぶ「フェルビースト」など、見たこともない戦闘場面です。肉弾戦も凄まじい迫力です。完全に、リングに魂を取られ、この映画のとりこになりました。その後も、巨大な象などの大軍との戦い、人畜入り混じった肉弾戦など、映画史上に残るシーンの連続です。アカデミー賞を受賞したのも当然です。特に、数々登場する怪物の中で、特に、「フェルビースト」の造型は素晴らしい。サイドショーから少数、発売されたスタチューは、非常によくできており、すぐに完売で、プレミアが付いていましたが、清水の舞台から飛び降りるつもりで、購入しました。その写真を違う角度から3枚どうぞ。(サービスです。(笑))Dscn6452 Dscn6455 Dscn6456

それにしても、このフェルビーストに乗っている死の王が「殺せる男はいない」と言い誇るのを女騎士が「私は女だ」といって、首をはねたのは、忘れられない名場面です。それにしても、サウロンを倒した後も、最後までしつこく引っ張る、引っ張る、この監督の粘りには、驚きます。溶岩と大鷲のシーンの効果は認めますが・・・。

 この映画のスタチューは、登場人物を初め、たくさん販売されており、私も、フェルビースト以外に、モンスターらしいモンスターを選んで、いくつか、悪魔、巨人、大蜘蛛のスタチューを入手していますが、(残念ながら、象がありません。)現在、保管場所の面からお蔵入りしておりますので、写真はありません。サウロンなんかは、サイズが大きすぎて、初めから手が出せません。販売戦略として日本の一般的な家屋のスペースを考えていません。(当たり前か!!)なお、それらのモンスターがどのようなものか、映画を見た方はご存知でしょうが、サイドショー社の完成品スタチュー自体も、値段が高いだけあって、本当に完成度が高く、よくできています。今後、機会があれば、ご紹介します。

 ところで、DVDも幾種類も販売されており、買う側から言えば、真に困ったものです。個人的には、未公開場面の入ったBOX版のものが一番、判りやすくていいのですが、値段が高いことや、全編通して見ることが時間的に難しいことが難点です。ところで、ああいうDVDーBOXは、売れているのでしょうかねえ。

ともあれ、いまもなお、「ロードオブザリング」の、特に第3作目に、はまっています。繰り返しますが、あの「蛸」はどんな姿でしょうか?気になってしかたありません。(誰か、教えてくれませんでしょうか!!。)また、DVDの抽選景品の「象」のスタチュー、どこかで売っていませんか?(販売用は、死にかけた姿で嫌なのです。)・・・・いやあ、楽しいですねえ。

グエムル 漢江の怪物

韓国映画「グエムル」を観てきました。事前の情報を余り得ないまま、何故か、「これは面白そうだ」という直感がありました。実際、面白かったです。Dscn6444 まず、タイトルでも怪物映画ということが良い。そう、何十メートルという巨大な大怪獣(どうしても、怪獣映画のイメージがある)ではなく、数メートルの未知の生物(=怪物)という、人間を襲って食べるに丁度の、ほどほどのサイズが心地よい。そして、怪物のデザインも良い。肺魚と海獣とおたまじゃくしを混ぜ合わせたような形で、尻尾をつかって自由自在な動きをすることにも、違和感はありません。

また、怪物が初登場する際に、最初、よく見えなかった姿が、一たん水面下に消えてしまい、振り向くと、既に陸上で、その巨体をどたどたと揺らしながら、人を襲っているというシーンは、白眉です。事件を目撃するのは、そんな感じかもしれないと、誠に感心しました。さらに、怪物を攻撃すれば、ウイルスを撒き散らす恐れがあり、通常の武器では攻撃できないという設定にも、うなりました。怪獣映画を逆手にとってサスペンスを盛り上げますし、まるでだめな一家の孤軍奮闘も、そのために、笑いとスリルをさらに誘発させることになります。しかし、よく考えると、一家の災難は、主人公のミスがなければ・・、と思うのは私だけでしょうか。あまりにも、ミスが間抜けすぎて、笑えません。さらに、ラストもどうも納得が出来ません。第一、あの怪物が捕らえた食料の蓄え?とやり取りする行動を見ますと、単なる動物の癖に、頭が良すぎるのと、性格が悪すぎます。この辺は、少し擬人化をやりすぎではないでしょうか。それにしても、社会情勢のせいか、政府と米軍への批判や反感は、なんとなく、わかるような気がします。いろいろ批判もありますが、間違いなく、最近の怪物映画の傑作です。ジョーズ以来というとおおげさでしょうか。(こんな類はあったかな?)未見の方は、見て損はないと思います。写真は、劇場販売パンフレットです。

2006年9月12日 (火)

スパイダーマン2

アメコミの映画化は、いろいろありますが、「スパイダーマン2」は最高傑作だと思います。もともと、スパイダーマン自体が胡散臭くて、どうしてこんなコスチュームなのかと、原作自体、大嫌いでした。ところが、映画化に際して、基本形の中で、少しデザインを変えただけで、随分かっこ良くなっています。正直、デザインの大切さを改めて感じました。

Dscn6443 第1作では、クモの糸でスパイダーマンが大都会を飛行するシーンを、爽快感や躍動感あふれる、実写では、かつて見たこともない形で描き出し、今日のSFXの進歩を実感させました。ただ、ストーリー的には、いま一つで、初登場のお披露目のような印象でした。しかし、最後の最後の場面で、好きな女に背を向けて去るなど、何故か時代劇の「股旅もの」を連想させ、さらに、接吻の感触から何かを感じたようなヒロインの表情で、次作への大きな期待を高めています。

 Dscn6442 そして、満を持して製作された「2」は、まさに、期待を超えた傑作になりました。何をやってもだめなヒーロー、力までなくすヒーローなど、あまり見ることはありません。さらに、なんといっても、魅力ある敵役ドック・オクの登場でしょう。やはり、演技力のある役者が演じれば一味違います。インディー・ジョーンズの案内人も確実に出世しています。(笑) その機械の4本の腕も名演技をします。まるで、怪物のように歩き回り、車を放り投げ、ヒロインを抱え、壁をよじ登っていく姿は、怪獣映画そのものです。キングコングも真っ青です。本当にひさびさにカタルシスを感じました、といえば少し大げさでしょうか。また、アクションシーンもさらにパワーアップして、垂直な壁での上下の攻防など、真にお見事といえます。一言、難癖をつければ、正体がバレテいいのか、続きは大丈夫か?と。(笑) ともかくも、大人の鑑賞に堪える、稀有なアメコミ実写版であることは確実です。まだ、未見の方は、是非、どうぞ。挿絵(フォト)は、後日添付します。※第1作と第2作目のDVD。最後に、アメリカ名物、スパイダーマン2の特製ボビング・ヘッドをご覧ください。 Dscn6441

2006年9月10日 (日)

アンダーワールド2

前回に引き続いて、ケイト・ベッキンセール主演の映画のお話です。「アンダーワールド2 レボリューション」です。Dscn6405_1 1作目は、吸血鬼と狼男の戦争の話で、ヒロインが銃をやたら無駄打ちすること以外は、あまり印象に残っていなかったのですが、その続編は、一挙に、古きいにしえの因縁まで遡り、不死者の祖や初代吸血鬼や元祖狼男などが入り乱れたストーリー展開で大変楽しめました。しかし、それ以上に、吸血鬼のデザインが何よりも素晴らしい。背中から、肩甲骨(?)が変形し、伸びて、強力な爪を有する羽になる発想。そして、その羽で、主人公等が乗って逃げるトラックの周囲を飛び回る様は、ぼろぼろになった服を付けているだけに、悪夢を見ているような、見事な演出でした。撮影裏話では、このシーンは、CGではなく、実際にトラックに俳優を吊って撮影したとか、迫力があるはずです。どこかで、この吸血鬼のモデル・キットを製造販売してくれないでしょうか。そのほか、吸血鬼の素早い動きの演出などには、感心しました。また、不死、太陽光、混血など、吸血鬼映画のテーマがぎっしり詰められており、非常に面白かったです。

それにしても、吸血鬼の城主役のビル・ナイという俳優は、「パイレーツオブカリビアン2」でも、蛸の亡霊を演じているようですが、素顔も適役です。昔の天津敏に似ているので、ファンになりました。今後も、怪物役に徹してほしいものです。

ヴァン・ヘルシング

随分昔の古い映画の話題が多かったので、このあたりで、最近の映画を取り上げてみましょう。クラシック・モンスターを新しい感覚で蘇らせ、現在の観客に提供しようとする試みとして、「ハムナプトラ」でミイラ男を復活させた実績を生かし、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインの三大モンスターを一挙に登場させた映画が、「ヴァン・ヘルシング」です。当然、ヘルシング教授や舞台も設定を大きく変えています。Dscn6404

また、その他にも、完全CG製の「ジキルとハイド」が、「ノートルダム寺院のせむし男」よろしく登場し、パリでヘルシングと一騎打ちをするというサービスもあり、好調な滑り出しとなっています。そしてトランシルバニアに場所を移せば、元祖「魔人ドラキュラ」に登場していた3人の女吸血鬼を復活させ、大空中戦が演じられます。この女吸血鬼が、なかなかに魅力的で、その文字通り縦横無尽な活躍ぶりは特筆物です。やはり、空を飛ぶ翼は、背中から生えている方が格好が良いと再認識しました。

一方、肝心な「ドラキュラ伯爵」ですが、これが、どうもいけません。SFXの進歩で、不死身ぶりなどは素晴らしい出来ですが、演じた役者に魅力がなく、軽い感じで、道化師のように見えます。全く凄みがありません。さらに、変身後の大こうもりのデザインも幻滅です。少しもかっこよくないのです。はっきり言って無細工な姿です。これでは、モデルを購入しようという意欲さえも起こりません。

また、フランケンシュタインの怪物の造型も、デザイン的に、むき出しの機械仕掛けなど、新機軸を打ち出したようですが、余り成功したとはいえません。版権も問題ないのに、なぜオリジナルのデザインを使用しなかったのか、はなはだ疑問です。この怪物も魅力がありません。ただ、CG狼男は、最近の映画のような猿タイプをやっと脱して、一定の評価が出来るデザインになりましたが、それでも、何か熊のようにも見えるのは、私だけでしょうか。

結局、この映画は、ケイト・ベッキンセール演じるヒロインと、3人の女吸血鬼の映画でした。Dscn6324この胸像は、サイドショー社から発売されたものです。 Dscn6325 

もちろん、ヒュー・ジャックマン演じるヘルシングも良いのですが、全体にアクションが余りにくどくて、漫画チックなことが欠点です。それにしても、ケイト・ベッキンセールは、「アンダーワールド」でも同じような役柄を演じており、彼女の頑張りは、モンスター映画には、欠かせない存在になっています。「ヴァン・ヘルシング」の続編が製作されるとしたら、是非にも登場させるべきでしたのに、あのラストは残念です。

2006年9月 9日 (土)

物体X 「より」と「から」

Dscn6406 「遊星からの物体X  」というジョン・カーペンター監督の映画がありました。内容は、グニュグニュ、グチョグチョのエイリアンが南極の基地で暴れまわるストーリーであり、 ともかく、見せ場は、ロブ・ボーディンの特殊メイク・特撮技術でした。  実は、この映画は、「遊星よりの物体X」を再映画化したものです。題名の「より」と「から」で区別してください。旧作は、名匠ハワード・ホークス監督が製作したもので、場所も、北極基地での話となっています。モノクロで人間型の異星人となっており、派手な場面はありませんが、お子様向けではなく、スリルとサスペンスが感じられる、傑作SF映画になっています。一度、ご覧になってください。Dscn6329 下記の写真は、ビリケン社の「遊星よりの物体X」(旧作)に登場する人間型の異星人のソフビキットです。新作の話は、また、次の機会にしたいと思います。

2006年9月 2日 (土)

エイリアン(その2)

映画「エイリアン」のお話のオマケです。前回お話したかがみタイプと対をなす立ちポーズ(Aタイプ)のエイリアンモデルを紹介します。Dscn6330

併せて、コナミの食玩サイズのモデルを紹介します。このシリーズの造型は、精緻を極めており、値段的にも大変良くできたフィギュアです。最近は、結構有名メーカーでも手抜きのような食玩フィギュアがあるので、このシリーズのセンスの良さと頑張りには、今後とも期待するところ大です。ただ、あまり、多数発売されると財政的な不安も出来ていますが・・(笑)。

Dscn6331 何かの兵器と化石となっている宇宙人の死体(胸にエイリアンが生まれた穴あり。最初の犠牲者?)これを「スペース・ジョッキー」と呼ぶらしいです。

Dscn6333_1 エッグから飛び出した第1期の形態。この幼虫が生物の体に卵(?)を生みます。Dscn6334 まず、顔に張り付き、口から進入するので、「フェイスハガー」と言います。

変態の第2期。生物の腹を破って飛び出すのがこいつです。通り名を「チェストバスター」と称されています。第1作の誕生シーンは、衝撃でした。どうやら周りの俳優も知らされていなかったらしい。

Dscn6332 晴れて成人した姿です。これは、第1作目のエイリアンの姿です。頭部を包むカバーがありますので、すぐわかります。第2作目に無数に出てくるエイリアンは、頭部のカバーがなく、「エイリアン・ウォリアー」と呼ばれています。まあ、働きバチというところですか・・。Dscn6336

そして、2作目で衝撃の登場をする。「クイーン・エイリアン」です。無数の卵を生み、リプリーと壮絶な女(?)同士の戦いをします。まさに王者の貫禄です。

ともかく、リドリー・スコット(第1作監督)とジェームス・キャメロン(第2作監督)に乾杯しましょう。

ジブリ

今回は、少し趣向を変えて、アニメ映画からご紹介します。皆さん、ご存知、ジブリ作品です。まずは、宮崎アニメがその地位を確立した「風の谷のナウシカ」です。なによりもクリーチャーとして、最上のものは、「ナウシカ」ですね。そして、次は「王蟲」です。単なる生物を超えた存在という位置づけでしょうか。しかし、非常に短気ですなあ。瞬間湯沸しの荒神です。怒ると目が青から赤になります。信号のように感情がよくわかります。Dscn6337 Dscn6339それにしても、こうした異世界を想像し、構築したイマジネーションには脱帽します。

ところで、クライマックス近くで、王蟲の血で、ナウシカの服が青色に染まるシーンは判別できましたか?私は、公開当時、全然気が付かず、服の色は作画上のミスかと思っていました(笑)。写真で、眼の赤いモデルは、販売されたフィギュア(節が動きます。アクションフィギュアは嫌いですが、これも、ほんとによくできていると感心します。)青いほうは、DVDのオマケです。これ(※注)を欲しさにデラックス版を買いました。(赤は後から発売!!残念)ナウシカ人形も付いていますが、あまり似ていません。(笑)注:この青モデルは、関節は動きません。

次は、ジブリ作品で私が最も気に入っている「天空の城ラピュタ」。映画のイメージとして、真っ青な空と白い雲の光景が何故かいつも浮かびます。しかし、美少女が主人公であるのが一番です。安心して見られます。脇役の海賊のおばはんや炭鉱のおかみさんも良い。ストーリーも背景も心地よいものです。それにしても、機械類、特に戦車などの兵器への宮崎監督の造詣は深く、この映画でも、ユニークなロボット兵が登場します。まず左右非対称の顔などのデザインに驚かされ、その性能にはもっと感心しました。特に、最初に動き出したときの這って歩く、その動き方、ぞっとします。そして、腕が羽になって空を飛ぶ姿(平成ガメラのモデル?)や、格納時の繭のような姿、どれも奇抜で意表をつきます。おもわず、完成モデルを購入してしまいました。Dscn6341 Dscn6342              

そのほかの作品も、「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」など、一定、楽しんでいます。それぞれ、どこか、一場面、はっとするシーンがあることが宮崎アニメの魅力です。・・・「ハウル」はあったか?「千」には確かにあったぞ。外階段を行く主人公のスカートが一瞬風にあおられるシーン(笑)。随分前の東映アニメの草創期の「シンドバットの冒険」のお話もしたいのですが、それはまた別の話で。

                                                           

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