「長髪大怪獣ゲハラ」のDVDが発売されました。先般、ブログに間違って書いてしまったように、私は、この映画?は某落語家さんの自主製作映画と思い込んでいたのです。ところが、天下のNHKの番組から生まれた怪獣映画というのです。正直、驚きました。しかも、平成時代の新しい怪獣映画の生みの親の一人、平成ガメラの樋口特技監督が製作総指揮というではありませんか、これは、認識を新たにせざるを得ないと、早速DVDを入手しました。
入手して、さらに驚愕です。本編はわずか21分。残り、80分ぐらいがメイキングのようなものです。これで、この定価は高い。ベラボーです。暴利です。もっとも、大河ドラマで稼いでいるNHKにとっては当然のことなのでしょうか。
ただ、内容が良いのなら、文句は言いません。ところが、本編は評価のしようがないぐらいの出来です。全編、予告編かと思いました。あくまで、NHKの番組のおまけというものでしょう。しかし、NHKも変わったものですナア。もう少し、まっとうな内容にして、販売して欲しいものです。
ところで、この製作に関わったみなさんは、特典映像のメイキングやトークを見る限り、昭和の怪獣映画へのノスタルジーに浸りきっています。往年の怪獣映画にオマージュを捧げるという趣旨のことなども話されていますが、この人たちは、そもそも「怪獣映画」ではなく、「怪獣」そのものが好きなのでしょう。着ぐるみを作ったことで満足してしまっています。まるで映画を創っている感じがしません。映画を創ろうとするなら、できれば、自分達の懐古趣味の発散ではなく、次代を担う子供達に向け、21世紀の新しい怪獣映画の創造への出発点にして欲しかったものです。この点が最も残念でした。特に、現在の状況は、ファイナル・ゴジラとファイナル・ガメラに、怪獣映画の息の根を止められたと明言した映画監督さんもいるのです(特撮映画雑誌に掲載)から、なおさらでした。
さらにいえば、この怪獣のデザイン自体、ゲゲゲの鬼太郎の大海獣にそっくりですね。なにも、毛のある怪獣は珍しくもありません。意図的にか、漫画のヒトコマにそっくりなシーンも作っていました。
特撮も、伝統の着ぐるみの怪獣が家やビルを(火薬で爆破して)破壊するのです。・・・最近、山崎監督が「続ALWAYS」で、CGゴジラが家を(槌で叩き)壊す特殊撮影を試みたことが、いかに斬新であったか、改めて思いました。(普通の家やビルの中には火薬はないですよね?)
それにしても、目玉が豆電球で黄色く点灯しているのは、懐かしさを通り越して、なんとか再考はできなかったものか、と思います。実際、往年の怪獣映画を茶化されているような気にもなりました。今回、製作に関わった怪獣ファンの有名人達の、このような姿勢を観るにつけ、日本の怪獣映画の夜明けは遠いですなあ。先日、20世紀少年の第三部のラストに、わずかな光が見えたのを、クモの糸として、若い優秀なクリエイターの出現をお祈りしましょう。・・・怒れる昭和の怪獣映画ファンでした。
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